Vol.164 団体生命保険と住宅ローンの関係とは?

不慮の疾病に備えた生命保険。
保険金は金融機関が負担し、万が一の時は「住宅ローン」返済不要!
団体生命保険(団信)は、住宅ローンとセットの保険で、万が一の備えになります?

2021年3月24日更新

万が一の時に、住宅ローンが完済される住宅ローン!

 団体信用生命保険、通称「団信」(だんしん)とは、住宅ローンの契約者が死亡または高度障害状態になり、ローンの支払いが難しい状況に陥った時、保険会社から金融機関に残りのローンの返済が行われる生命保険のことです。住宅ローンは長期にわたって返済するものですから、返済期間中に契約者の身にトラブルが起こる可能性もあります。住宅ローンを契約する時には、このような想定外の万が一に備えて「団体信用生命保険」に加入するのが一般的です。図・1は「団体信用生命保険」の概要を表した図です。

高度障害状態とは、命は有っても生活が困難な状況。

住宅金融支援機構の団体信用生命保険では、高度障害状況を以下の8つの状態と規定しています。

  • ①両目の視力を全く永久に失ったもの
  • ②言語又は咀嚼(そしゃく)の機能を全く永久に失ったもの(注1、流動食以外のものは摂取できない状態で、その回復の見込みのない場合をいいます。)
  • ③中枢神経系又は神経に著しい傷害を残し、終身常に介護を要するもの(注2・食物の摂取、排便・排尿・その後始末、及び衣服着脱・起居・歩行・入浴のいずれもが自分ではできず、常に他人の介護を要する状態をいいます。)
  • ④胸腹部臓器に著しい傷害を残し、終身常に介護を要するもの(注2に同じ)
  • ⑤両上肢とも、手関節以上で失ったか、又はその用を全く永久に失ったもの
  • ⑥両下肢とも、足関節以上で失ったか、又はその用を全く永久に失ったもの
  • ⑦一上肢を手関節以上で失い、かつ、一下肢を足関節以上で失ったか、又はその用を全く永久に失ったもの
  • ⑧一上肢の用を全く永久に失い、かつ、一下肢を足関節以上で失ったもの

この、①〜⑧が、高度障害状況の8つの基準です。これらのように、通常生活を送ることが困難な重い障害が「高度障害状態」です。ただし「団体信用生命保険」における高度障害状態の基準は、金融機関が独自に決めたものであるため、労災や障害年金の基準とは異なります。

障害等級の認定があっても高度障害状態と認められるとは限りません。又、団体信用生命保険を提供している金融機関によって高度障害状態の基準が異なる場合もあります。契約前に金融機関の規定を確認しておきましょう。

通常の「団信」は、死亡又は、高度障害状態を保証対象に。

通常の「団信」は、図・2の場合では、特約なしに該当します。住宅リーン専門金融機関のA社の場合は、3000万円のローンで試算すると「団信」3大疾病(がん・急性心不全・脳卒中)の特約付きの場合、月額6366円で35年間、3大疾病になった場合の保障を備え、最大3895万円のローンが補填されます。

一般の生命保険における保険金の受取人は、被保険者もしくは被保険者の家族ですが「団信」では契約した金融機関が受取人となります。そのため、被保険者の家族が保険金を受け取ってローンを支払うのではなく、保険金を受け取った金融機関が残っている住宅ローンの返済に直接充当します。通常、お金を他者から受け取る場合は、所得税や贈与税、相続税といった税金がかかりますが、「団信」の場合は受取人が金融機関であるため、これらの税金は発生しません。

生命保険に加入している場合は、見直しが必用です。

「団信」に加入するときに別の生命保険に加入している場合は、それぞれの保険内容を照らし合わせて重複している項目がないか見直しましょう。生命保険受取額は大きければよいというものではありません。受取金額が大きければ、その分だけ掛け金も必要になり、生活資金が圧迫される可能性もあります。一般的な生命保険の内容は、受取後の本人や遺族の生活を保障するものですが、その中には住居費も含まれています。

「団信」では、ローン返済中にもしものことがあっても保険金により住宅ローンが支払われるため、その後の住居費額はかなり少なくなります。つまり、生命保険で加入していた住居費の保障額は無駄な支出なので、生命保険に入っている場合は、住居費分の保障を外しましょう。

借り換えを検討の場合は「団信」とローンをセットで見直す。

一般的に借り換えの検討は、①返済期間が残り10年以上②元本が残り1000万円以上③現在の返済金利が1.5%以上が目安とされています。

通常の借り換えでは「団信」も入り直しになりますが、ローンを組んだ時から年数を重ね健康状態も変化しているので希望する保証を受けられなくなったりしますが、ローン自体の契約は継続したまま「条件変更」が可能ですから数万円程度の収入印紙代で「団信」は、そのままローン契約と継続になりますから「団信」の保証内容は変わりません。病気などで「団信」に加盟できない場合は「フラット35」等での借り入れも可能です。

様々な方法で借り入れにも有利な条件がありますから、住宅建築をお考えの場合は、是非、史幸工務店にご相談賜りますようお待ち申し上げております。今後とも宜しくお願い申し上げます。