Vol.70 安心・安全、快適な家造りの基本。

必ず来ると言われる南海トラフ地震、熊本のように鹿児島も無傷では居られない?
災害に強い住宅と住まいの防災機能、正しい恐怖心が命を守る。

2017年1月30日更新

地震に強い、3つの工法と耐火性能の重要性。

あれだけの被害を受けた熊本ですが、震災が起こる前までは、誰もが熊本は地震被害の少ない地域だと思ってきたのです。
阿蘇の火山があるのに地震が少ない地域とは、意外に思われるかも知れませんが、鹿児島の場合も桜島がありながら大きな地震の少ないところと言う認識は、震災前の熊本と同じです。
必ず近いうちに発生すると警戒されている南海トラフ地震ですが、四国や中部日本の被害は想定できるものの、鹿児島は一応、南海トラフの中心部からはそれているという安心感を持っている方が多いようです。
この様な考え方も震災前の熊本と同じ認識です。地震保険は任意の保険ですが、その加盟率の少なさも地震の本当の怖さを理解しているとは言えない状況です。熊本の皆さんが最も驚かれたのは、震災後に発表された活断層の多さです。あんなに活断層が多い地域だとは、誰も思いもしなかったからです。
地震は、1000年周期で起こるものや300年周期で起こるもの等、まちまちです。従って、直近の10年や20年の間隔では対応できません。


図-1 地震から家を守る3つの方法

住宅建築を考える場合には、長期的なスパーンで考えておく必要があるのです。
上図-1をご覧ください。
耐震に対して建物を強くする方法には「①耐震」「②制震」「③免震」の3つの工法があります。
①の耐震は、壁や柱を強化して補強材などを入れて構造体自体の強度で地震の揺れに耐える工法です。
②の制震は、建物内に油圧ダンパーや減衰ゴムなどの振動軽減装置を設置して、地震エネルギーを吸収する工法です。
③の免震は建物と地面の間に積層ゴムやすべり支承などを入れて建物と地盤を分離し、揺れを伝えない工法です。免震は、木造住宅ではほとんど採用されることはありません。
②の制震ダンパーは、この頃よく宣伝されますが、通常の住宅では、費用対効果や経年変化の心配から、あまり効果が期待出来るものとは言えません。
木造住宅は基本的には、①の耐震が基本になります。
但し、構造の強さと共に基礎の強さが重要です。
史幸工務店の場合は、基礎内部の盤面にも鉄筋を配置する耐圧版の上に布基礎を建てて、地震の際には、基礎と建物が同時に揺れて地震に耐える、基本的な耐震工法を採用しています。
熊本大地震に際しても、史幸工務店の「ハイブリッド・エコ・ハートQ工法」を採用している熊本の工務店の場合は、被害は報告されず、耐圧版の基礎にアンカーボルトでしっかりと結合された住宅構造の耐震性能の確かさが実証されています。
住宅は、中途半端に制震や免震を行うよりも、地面という海の上に、基礎という舟を浮かべるような構造の方が確かな耐震性能を発揮してくれるようです。 また地震で重要なのは、耐震性だけではなく耐火性能もまた重要なポイントになります。

震災後の火災に対する備えの重要性。

震災後の火災の多くは、もらい火による火災です。
「省令準耐火構造」などのように、住宅金融支援機構が定める基準に適合する防火基準の高い住宅認定制度もありますが、ごく一般的な普通の住宅性能として、外部からの類焼を防ぎ、燃え上がりにくい性能と共に一定時間は部屋から火を出さず、万一部屋から火が出ても延焼を遅らせる等の火災から命を守る特徴を備えている必要があります。


図-2 省令准耐火構造の住宅

通常施工でも高い防火性能が必要です。

省令準耐火構造の住宅は、具体的には、屋根はスレートや瓦、ガルバリウム鋼板などの不燃材料を使用し、外壁や軒裏はモルタル塗り等の防火構造、天井、壁の室内に面する部分には石膏ボード等の不燃材料を使用して防火対策が施工されていますが、史幸工務店は、通常施工の中ですでに防火対策には様々な工夫をしています。
構造用面材は、不燃材料の火山性ガラス質素材の「ダイライト」を施工し、屋根も不燃性の屋根材を通常の施工として、外部からの防火に備えています。
室内側は、石膏ボードで延焼遅延を行っています。住宅の気密性能も防火対策には、大きな力を発揮します。
居室の気密性が高いと酸素が供給されないので火災は、自然消火してしまいます。開口部に使用されている樹脂サッシも火災に対しては強い自己消化性があります。
樹脂は元々燃えにくい性質があり、燃えたとしても、樹脂単体では燃え続くこともなく、ブスブスといつの間にか消えてしまいます。強烈な熱と長時間の延焼にはどんな素材も耐えることは出来ませんが、火災の延焼を食い止めるには、短時間の消火が重要になります。
史幸工務店の住宅は、消火に必要な時間を充分に稼げる住宅で、地震で潰れる事もなく、地震の際には電気の供給がストップされると同時に、全ての火災に関連する装置が停止してしまう住宅で、不慮の災害に対する強さも備えた住宅です。