Vol.146 シンプルで効果的な第3種換気

史幸工務店が第3種換気を選択する理由!シンプルで効果的な第3種換気

2020年5月29日更新

第3種換気と第1種換気の どちらがコロナ対策に強い?

 史幸工務店は、第3種ダクト式計量換気の採用と給気口に帯電フィルターを採用しています。ほとんどの施工店が「第1種全熱交換換気」を設備し、価格的に高い事から第3種など過去の設備だとあからさまに言う施工店も多いと聞きますが、スウェーデンやドイツなどの住宅先進国では、現在でも第3種換気が一般的です。住宅性能が悪ければ第3種換気は機能しませんから、シンプルな換気は長寿命住宅にも耐えるステータスになっているのです。
第3種が計量換気と言われるのは、各居室に最低6カ所も直径10センチの給気口を開けるからです。高額で複雑な第1種換気を設備しているにもかかわらず、コロナ対策で定期的に窓を開ける様に指示されるのは、第1種換気の場合、全館が給気口10㎝と排気口10㎝のたった20㎝の開口で、全館の換気を行うのですから、フレッシュ空気が不足してしまうのです。第3種換気の場合は、各居室の帯電フィルターから、住宅の気積と排気量によって計算された新鮮な空気が取り入れられ、常に窓を開けているのと同じようにフレッシュ空気が入ってきます。帯電フィルターは普通のフィルターのように空気口を塞ぎません。そのために、気密性能C値=0.5以下が必須の条件になります。史幸工務店の場合、標準気密性能は、C値=0.3以下です。
このように第3種換気が計量換気と呼ばれているのは、信頼の証でもあります。 

24時間計画換気の種類?

■24時間計画換気の種類と特徴

■2003年、24時間機械換気の義務化!

今まで基準がなかった換気装置に、24時間機械換気が義務化され、上表のような換気装置が必要になりました。欧米と異なり冬の寒さが比較的に緩やかな我が国は、通風による自然換気が主流でしたが、24時間機械換気が義務化されて住宅性能も、ようやく欧米並みに評価されるようになりました。

■局所換気と24時間計画換気の違い

24時間換気とは、365日(24時間)、換気装置を止めないで機械力で住宅全体の換気を行います。2003年に定められた「改正建築基準法」では、シックハウスを防ぐため一般的な目安としては、2時間で住宅全体の空気が入れ替わるように、すべての住宅に24時間機械換気設備が義務付けられています。

■ファン式換気扇は局所換気

一般の住宅では、キッチンの石油・ガス化でファン式の換気扇が導入され、現在でも使用されています。ファン式換気扇は、空気を入れ替える範囲がトイレやキッチンなどの狭い局所を換気するので「局所換気」といわれます。換気範囲は狭いものの、換気力は強いので、短時間で空気の入れ替えができます。

■ダクトレス第1種熱交換換気

換気装置の取り付けが必要な壁に、直接「ダクトレス第1種換気装置」を取り付けます。居室に1台か、2台の設置を行い、口径165cm2×長さ235cmの筒状のセラミックの熱交換素子の中を排気と給気を70秒の感覚で、ピストンのように行き来させて、冬の場合は、室内の暖かい空気を排気する時に、セラミック素子を暖め、給気する時には、冷たい外気を暖めたセラミック素子を通過させて室内に給気させるシステムです。冷房の場合も同じシステムで熱交換を行います。問題は、換気量が小さいために複数台の設置が必要なことと、換気経路が不確かなことで、必要な換気が確実に行き届くかが問題になります。

■第2種換気は、一般住宅では使わない

第2種換気は、給気を機械で行い、排気は自然排気とするものです。機械的に空気を室内に給気をすることによって、常に新鮮な空気を室内に充満させ、室外からの空気の侵入を防ぎ、病原菌や微細ゴミの侵入を防ぎます。クリーンルームや無菌室、病院の手術室等、特殊な環境で採用される換気方式で、一般住宅に採用されることはほとんどありません。

■第3種換気と熱交換器の効果

第3種換気方式は、排気を機械で行い、給気は自然換気とするものです。世界的に最もポピュラーな換気装置です。室内から機械で排気するため、室内は負圧になり、給気は各居室や拠点に開けられた給気口から室内に取り入れられます。計量計画換気といわれるように、家の気積量を計算して給気口を設けるため計画的に給気されます。優れた住宅性能が条件になり、高断熱・高気密性能(C値=0.5cm2/m2以下)が最低条件になります。
冬の冷気が直接室内に入って来ますが、高性能住宅の場合は、給気口の30cm以内で熱交換が行われるので、給気によって直接的に寒さを感じることはありません。排気専用の換気装置のため、トイレ・浴室・玄関など臭いや水分が気になる部分からの排気も可能です。近年では、キッチンの油汚れを排気させると換気本体が油汚れしてしまうため、第3種換気を採用しても、キッチンだけは同時給排式のレンジフードを採用する場合が多くなっているようです。

■排煙・排臭用の換気扇から、24時間換気へ

換気といえばキッチンの排煙やトイレの排臭用の局所換気扇が主流でしたが、これから建てられる住宅には、24時間機械換気が義務化されました。局所換気の必要がなくなったわけではなく、第1種全熱交換型を選択する場合には、プラス同時給排局所換気が必要です。

■現在、主に採用されている換気装置は2種類

主に採用されている換気装置は、第1種換気と第3種換気の2種類です。第2種換気は、特殊な換気で手術室・クリーンルーム等、細菌や微細ゴミを室内に入れないように室内側送風して、室外に排気させる方式です。臭いが問題になる鶏舎や豚舎・牛舎などの換気も第2種換気が採用されますが、一般住宅には通常採用されません。我が国で採用されているのは、第1種換気と第3種換気です。

■24時間第1種全熱交換と局所換気の問題。

24時間機械換気の設置が義務化されていますが、感染症対策時の窓の定期的な開放の重要性は全く変わっていません。給気と排気を機械力で行う第1種換気の場合は、住宅の密閉が必要で、10cmの給・排気の専用開口が換気装置に配管されている状況では、窓を開放する自然換気との組み合わせでは、本来の換気に問題が生じます。
春先や秋口のさわやかな風を室内に取り入れようとしても、第1種換気は室内の空気環境を「正圧状態」に保つ必要があり、窓を開放する事で給気と排気のバランスが崩れるので、窓の開放は出来るだけ行わない事が換気を正常に働かせる条件となります。それにもかかわらず全熱交換の場合は、再循環される空気や湿度の臭いなどの問題から、トイレ・浴室・キッチン等最低3カ所に、同時給排型の局所換気が必要になります。

■24時間計画換気の第1種換気とは?

第1種換気には、顕熱交換と全熱交換の2種類の換気装置があります。換気方式は同じですが、表・1のように第1種換気の最大の特徴である、排気の中から熱を取り出す「熱交換方式」に違いがあります。

■全熱交換とは

大手ビルダーの換気装置は、この全熱交換が主流です。全熱交換は排気の中から熱と水分を取り出します。熱交換素子は和紙等の浸透膜で作られ、給気と排気を交互に積層させた浸透膜の素子に通し、排気から熱と水蒸気を給気に熱交換させて、室内に再循環させます。浸透膜にカビが生えるなどの問題が指摘され、金属性のドラム式熱交換素子等も開発されています。
日本製、第1種全熱交換素子は、ほとんどが不織布や和紙等のため、再循環空気に臭気が混じり込み、キッチンやトイレ、浴室等との共用はできないので、第1種全熱交換での換気は居室のみで、キッチン・浴室・トイレの3カ所には、局所換気が必要になり最低4台の換気装置が必要になります。

■顕熱交換とは

排気の中から水蒸気は取り出さず、熱だけを取り出す交換方式です。欧米の第1種熱交換方式は、この顕熱交換が主流です。熱から熱を移し取る熱交換ですから、一度室内を循環した空気を再循環させることがないので、高い安全性が確保できます。第3種換気と同じように、トイレや浴室・キッチンからも排気が可能です。しかし顕熱交換は北欧のように、かなりの温度差がないと熱交換する意味がありません。顕熱交換を採用しても我が国では、北海道の最北部以外は、1年の半分以上熱交換器を稼働させることが出来ないからです。