「ハイブリッド・エコ・ハートQ」工法

ハイブリッド・エコ・ハートQ工法

研究会の成果として開発された工法が「ハイブリッド・エコ・ハートQ」工法です。この工法は、九州住環境研究会が開発した工法です。

従来の九州の高性能住宅は、冬の寒さを克服するために北海道型の住宅工法が導入されてきました。これによって、冬の寒さは解消されたものの今度は、夏暑くてたまらないという問題が浮上してきました。冬暖かく夏涼しい住宅の開発を目的に、九州の高断熱・高気密住宅をリードしてきた地元工務店が研究会を立ち上げ、自らの手で九州に最も適した工法として開発したのが「ハイブリッド・エコ・ハートQ」工法です。

「ハイブリッド・エコ・ハートQ」工法は、九州でもいち早く「次世代省エネルギー住宅基準」評定を受けています。

  • 吸水性のない断熱材と構造用合板の上に、更に透湿防風効果を持つ外断熱ボードを施工し断熱気密性を高めています。
  • 九州の蒸暑地域で最も重要な通気性能を高め壁体内部の基礎から棟まで通気層を通し、壁体内に上昇気流を生じさせて水蒸気等を自然に排出させています。
  • 熱の滞留に伴う湿気で壁体内が腐るという心配もありません。
  • 壁体内を通過した空気を再循環させるようなシステムではないので、壁体内の断熱材や構造用合板等に使用されている接着剤等、人体に有害な物質を室内に取り入れることもありません。
  • 夏涼しく冬暖かい理想的な空気環境の住宅を可能にしました。

施工工程

我々が、お施主様に最もご覧頂きたいのは、住宅の施工現場です。
ご家族の家がどの様に建てられるのか是非、施工現場でご確認ください。

建築当初は高い性能であるとしても、経年変化で住宅の断熱性能が低下する住宅では、意味がありません。特に台風や地震などで、住宅は常に揺らされることを想定することが大事です。揺れに強い確かな構造を持つ住宅でなければ、断熱性能も気密性能もすぐに低下してしまいます。「ハイブリッド・エコ・ハートQ」では、このようなことから開発思想の一つに高耐震を挙げています。
外壁面の柱を切り欠き、その中に断熱材を入れることで「壁パネル」構造を造り、高耐久性の構造躯体と高断熱・気密性能を一体化させています。スチレンの圧縮強度を利用した「壁パネル」構造の融合で理想的な住環境をお約束いたします。

1.耐圧盤

耐圧盤基礎の配筋状況

(D13×200))

十分に転圧された砕石の上に、防水シートが施工されている。耐圧盤基礎の配筋部分が四角いコンクリート部品で持ち上げられているのは、配筋の下部にも均一にコンクリートを流し込む為である。配筋はD13×200で、このように施工されると完全に見えない部分の確実な施工が、信頼性の高い強い基礎を造るために何よりも重要である。

2.耐圧盤と基礎配筋

耐圧盤と基礎配筋

耐圧盤が完成した状態である。耐圧盤から立ち上がっている配筋によって、耐圧盤と布基礎部分が連結されて一体化する。一見すると貧弱に見えるが、この配筋が充分に補強されて布基礎の立ち上がり部分になる。このような耐圧盤と布基礎の一体化が地表に浮かぶ船のようになり、地震にも強い基礎構造を形成する。

3.完成基礎とアンカーボルト

犬走り基礎とアンカーボルト

完成した耐圧盤布基礎構造である。内部・外観共にきれいな基礎が完成している。この様に基礎の型枠を取り外してしまえば、そこにはきれいな基礎だけしか残らない。合理的な施工の原点は、現場仕事の美しさと対応している。基礎の天盤の上に規則正しく立っているボルトは、基礎と土台を繋ぐアンカーボルトである。

4.土台と格子状床受け材

落とし込み根太

基礎内部の断熱材は、基礎断熱工法のスチレン断熱材です。土台材と同等の太木材を格子状に施工し、剛性の高い床を組んでその上に構造用合板を施工。床の剛性は耐震性能を高める重要な施工で、大型地震にも耐えうる性能を造り出す。

5.アンカーボルト

ホールダウン金物とアンカーボルト

土台の上に見える赤○印の金属は、アンカーボルトである。基礎と土台を繋ぐ重要なボルトで、これによって住宅と基礎がしっかりと連結されている。水害でも住宅が流されることはなく腐食にも強い金属で、地震にも強い住宅になる要の部分である。

6.天井断熱の施工

天井断熱の施工

天井断熱の施工は、棟上げの時に完了する。断熱材の間の穴部分は、屋根構造の柱が立てられる。断熱材の厚さは、100mmが標準である。断熱材と断熱材の取り合い部分には、気密テープが貼られて断熱性能とともに最も重要な気密施工も同時に行われる。100mm厚の断熱材は人が乗っても全く問題の無い強度である。

7.天井遮熱施工(小屋裏側)

天井遮熱施工(小屋裏側)

断熱材が施工された後には、遮熱面材が施工される。写真のようにプラットホーム化された小屋裏の上で屋根工事が行われるために安全で確実な屋根工事が可能になる。さらに気密テープで屋根の気密化が図られ、柱を乗せてもびくともしない圧縮強度にも強い断熱材は、構造の一部となって住宅の強度を支える。

8.天井断熱(室内側)

天井断熱(室内側)

室内側、天井の断熱施工状況である。梁との隙間部分は、天井側からは、発泡ウレタンが施工されて断熱・気密補強が行われる。この様な緻密で均質な施工が気密性能・断熱性能を高める要となり、高性能を目指す重要な施工となる。

9.室内側壁面の断熱施工と室内側の防蟻施工

壁面内断熱施工と内部防蟻施工

ハイブリッド・エコ・ハートQの場合は、内断熱と外断熱のダブル断熱施工が行われる。床構造材と柱・断熱材の隙間は、防蟻フォームによって断熱補強される。防蟻フォームはVOC(揮発性有機化合物)を発生させない優れた特性がある。

10.構造柱と火打梁

構造柱と火打梁

梁・柱、火打梁の施工例である。木構造と耐震金物との組み合わせで強度を保っている。外部と連結する耐震金物は、熱橋となって結露を発生させる危険性があるため、全て発泡ウレタン断熱材で断熱補強されている。

11.気密測定

気密測定1
気密測定2

断熱施工が完了した時点で気密測定が行われる。気密測定は全棟で行われ、この気密測定で、C値(相当隙間面積)=1.0㎡/㎝をクリア出来ない場合には、空気漏れ箇所が徹底的に調べられて、1.0㎡/㎝以下になるまで改善が行われる。

12.換気本体と配管

換気本体と配管

換気装置はスウェーデン製の第三種換気を採用している。上部に見える配管で汚れた空気を排気し、給気は給気口で行うというシンプルな構造であるが、その確実性から世界で最も採用例の多い換気装置である。

13.内断熱と防火構造材

内断熱と防火構造材

開口部の穴の廻りに見える断熱材が内断熱部分である。この様に内断熱が完了した後に防火構造材が施工される。これによって内断熱部分は外気から完全に遮断・保護される事になる。

14.防火構造面材

遮熱外断熱材と通気胴縁

内断熱施工が防火構造材(火山性ガラス質構造用面材)でスッポリと覆われた状態で、この構造用面材は通気性が有り、防火性に優れてた燃えない建材である。一般的な内断熱工法は、この上に防水・透湿シートと通気層が施工されて、外壁が施工されて終了するが、ハイブリッド・エコ・ハートQはこの上に外断熱が施工される。

15.防火構造材と遮熱外断熱

遮熱外断熱と防火構造材

防火構造面材の上に、遮熱面材を貼り付けた外断熱材が施工される。これで断熱・気密性能が更に高まり、遮熱材の働きによって、夏も涼しい住宅性能を維持することが可能になる。勿論、冬も暖かい省エネルギーの温熱環境を造り出す。

16.遮熱外断熱と通気胴縁

防火構造材

スチレン断熱材に遮熱アルミ箔を貼った外断熱材である。この断熱材の厚さ調整で断熱性能をコントロールする事が出来る。縦方向に通気胴縁を施工し、これが外壁と遮熱材との間に発生した水分や、台風などの吹き込みを排出させる。 遮熱アルミ箔には防水性があり、防水・透湿シートの施工は必要ない。

17.遮熱外断熱と防水・透湿シート

遮熱外断熱施工

遮熱面材を貼った外断熱材を全面に施工した状態である。断熱材の取り合い部分は、気密テープでシールされている。その上に通気胴縁を施工し、サイディングやモルタルなどの外壁が施工される。本来、遮熱面材には防水性があり防水・透湿シートの施工の必要はないが、断熱層以外と連結されている部分の施工後の安全性を担保するために必要と思われる部分には一部、遮熱面材の上にも防水・透湿シートを施工して通気胴縁を施工し、安全性を高めている。

18.外壁の施工

サイディング施工

この施工現場はサイディング施工の現場である。希望によってモルタル施工など、様々な外壁材を施工することも可能である。サイディングやモルタルの他にもガルバリュウムなどの外壁材があり、地域にあった外壁材を選択する事が可能である。

以上が、ハイブリッド・エコ・ハートQの建築概要です。

建築当初は高い性能であるとしても、経年変化で住宅の断熱性能が低下する住宅では、意味がありません。特に台風や地震などで、住宅は常に揺らされることを想定することが大事です。
揺れに強い確かな構造を持つ住宅でなければ、断熱性能も気密性能もすぐに低下してしまいます。「ハイブリッド・エコ・ハートQ」では、このようなことから開発思想の一つに高耐震を挙げています。
外壁面の柱を切り欠き、その中に断熱材を入れることで「壁パネル」構造を造り、高耐久性の構造躯体と高断熱・気密性能を一体化させています。スチレンの圧縮強度を利用した「壁パネル」構造の融合で理想的な住環境をお約束いたします。