史幸便り
Vol.61 何故、資産価値が無いのか、日本の住宅!
高性能住宅の長寿命は、資産価値を高めて、中古住宅として豊かな老後を保証してくれます。
築20年で無価値になる日本の住宅は、おかしいとおもいませんか?
2016年3月30日更新
■中古住宅流通が潜在的な豊かさのバロメータ。
下の表1は、主要国の中古住宅と新築住宅の総数と中古住宅の流通戸数を示したものです。イギリスの場合は、新築戸数が12万戸弱、フランスの場合で33万戸強、米国の場合でも56万戸の新築なのに対し、日本の場合は、109万戸と圧倒的に新築着工率が高く、中古住宅は17万戸と最も少なくなっています。
イギリスの中古住宅は71万戸、フランスは60万戸、米国の場合は516万戸と、90%以上が中古住宅の取引戸数です。この中古住宅の取引量の差こそが、住宅を社会資産と考えた場合の社会全体の豊かさの差です。
■日米の住宅投資累計と住宅資産額の差。
住宅を新築しても性能が悪い住宅を建て続けることは、国の資産を減らすようなものです。日本の場合は、築22年で住宅は無価値と判断され、30年の住宅ローンで購入した住宅は30年の返済前にすでに無価値になってしまいます。
例えば50歳以上の世帯(2人以上)では住宅の建物評価が無価値となるので平均2000万円の「含み損」を抱えていると試算されてしまいます。
下表2・3の日米の住宅投資の累計額と住宅資産の評価総額のグラフは、両国の住宅に対する評価の違いを示しています。日本の場合は、過去40年間の累計投資額よりも資産評価額が500兆円以上も下回っているのに対し、米国の場合は、ほぼ見合っているばかりか、新築よりも付加価値の高い中古住宅もあることを示しています。日本人がいかに一生懸命稼いでも、住宅によって豊かさが半減している実態がよくわかります。住宅を所有していることで、2000万というハンデを背負っているのですから、どんなに頑張っても豊かにはなれません。
住宅を新築しても性能が悪い住宅を建て続けることは、国の資産を減らしている実態がよくわかります。
■低性能を逆手に取るローコストメーカーも。
低性能住宅を販売している大手メーカーは、これを逆手にとって、20年しか価値の無い住宅に高額の投資をするよりも、低性能住宅で20年後にまた新築した方が得ですと、あからさまに言う営業マンもいるということですから、事態は深刻です。
国が「長期優良住宅」や「低炭素住宅」に様々な特典をもうけてを推進しているのは、この様な無駄を停止させるためです。
価値のない住宅は、メンテナンス等をしないで、ますます価値を下げますが、高性能住宅の場合は、国のリフォーム支援や建物診断の普及、改修などで、建物の評価方法の見直し、また金融業界との連携で、中古住宅の新たな金融商品開発、更に中古住宅の仲介業者が消費者に十分な情報提供が出来るように、情報ストックシステムの構築など、多岐にわたる国の高性能中古住宅支援策が検討されています。付加価値を高めるためには、調度品などの趣味的な要素が強いように感じられるかもしれませんが、実際には、欧米の住宅は、新築で建てる際の性能基準が我が国とは全く異なります。
■付加価値の高い住宅とはどんな住宅か?。
住宅はあらかじめ高性能であることが前提です。例えばZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)も多くの国が、2020年や30年を基準年に設定しているのに対し、イギリスでは本年からZEHが開始され、ZEHや省エネ基準に満たない住宅は、改修命令が出されるほど、厳しい法的な規制を設けて住宅性能を担保しています。 この様な住宅性能の確かな前提があって、中古住宅に高い付加価値が認められているわけです。今まで他人が生活して、何の支障も無い安全な住宅として中古物件をとらえるのです。 史幸工務店は、常に付加価値の高い100年住宅を目指して皆様の住宅を建てています。