史幸便り
Vol.63 マイナス金利の今が住宅の建て時!
マイナス金利で住宅ローンの常識も変わった。頭金を抑えて住宅ローン減税のフル活用!
自然災害の被災者を救済する、住宅ローンの減免処置なども新設。
2016年6月24日更新
■消費税の問題よりも、金利を有効に活用!
日銀のマイナス金利の導入で住宅ローンは、過去最低の水準にあります。今までは、借入金の額を出来るだけ減らして利息負担を少なくするのが常識でしたが、マイナス金利によって利息負担が減っている現状では、従来のように、頭金を2割以上用意して借入額を抑えるのが常識でしたが、現在では、逆に借入金を増やして、住宅ローン減税をフルに活用した方が有利なケースもあります。
また、繰り上げ返済など、余分な資金があればコツコツ繰り上げ返済に回していた資金も、少しでも有利な運用に回したり、積み立てておいて住宅ローン減税が終了した時点でまとめて繰り上げ返済に回すなど、マイナス金利を有効に活かしたローン返済が必要です。
いずれは住宅建築をと考えておられるなら、今こそ最大のチャンスだといえるようです。
金融のプロも、今こそ住宅の買い時との答え。
その理由を住宅金融支援機構が本年3月に実施した「住宅市場動向調査」で回答を寄せた「フィナンシャルプランナー」の多くが「住宅ローン金利の低水準」と答えています。
実際の金利も、変動金利タイプで年0・625%、10年固定タイプで年0・9%(4月のメガバンクの例)と1%を切る水準です。ポイントは、先に述べたように借入金を増やした方が有利になるケースがあるからです。それは、住宅ローンの控除との兼ね合いがあるからで、住宅ローン控除は、年末のローン残高×1%の税金が戻りますが、住宅ローン金利が1%未満であれば、住宅ローンを増やして借入金を増やして、ローン金利を負担しても住宅ローン控除の方が有利になるからです。
今までだと、頭金を減らした分は貯蓄にまわして、繰り上げ返済に回すことをお勧めしますが、住宅ローン控除の適用は、先にも述べたように10年間ですから、11年目以降にまとめて実行することが最もお得になるようです。なぜならば、それ以前の実行は、ローン残高は減りますが、控除額も減ってしまうので得策にはならない可能性があるからです。ただし、購入する物件の価格や借り入れするときの住宅ローン金利によっては損得が変わりますから、事前にシミュレーションしておくことが重要です。
住宅ローンの返済額は年収の25%以内。
借入金が多いほど有利とはいっても、無理して借りて返済が出来なくなっては、元も子もありません。一般的な借り入れの目安は、年間の返済額を年収の25%以内に抑えるのが基本的な考え方といわれています。
年収と現在の金利で借りられる金額の目安は、どのくらいであるのか、図・1に示しましたので参考にしてください。
年収負担率25%借りられる目安。図・1
■35年返済(元利均等返済)
金利 | 年収400万円 | 年収600万円 | 年収800万円 | 年収1000万円 |
---|---|---|---|---|
0.5% | 約3200万円 | 約4800万円 | 約6400万円 | 約8000万円 |
1.0% | 約2900万円 | 約4400万円 | 約5900万円 | 約7300万円 |
1.5% | 約2700万円 | 約4000万円 | 約5400万円 | 約6800万円 |
■25年返済(元利均等返済)
金利 | 年収400万円 | 年収600万円 | 年収800万円 | 年収1000万円 |
---|---|---|---|---|
0.5% | 約2300万円 | 約3500万円 | 約4700万円 | 約5800万円 |
1.0% | 約2200万円 | 約3300万円 | 約4400万円 | 約5500万円 |
1.5% | 約2000万円 | 約3100万円 | 約4100万円 | 約5200万円 |
年収負担率とは、年間の返済額が年収に占める割合のことで、年収600万円で年間の住宅ローン返済が120万円であれば、120万円÷600万円×100で年収負担率は20%になります。
例えば、年収600万円で35年返済、金利1%の場合は、4400万円まで借り入れが可能になります。 当社の展示場に来られたお客様で桜島や今回の熊本地震などの惨状を見ると、住宅を建てても、これから災害が心配される鹿児島では、住宅を建てても、被災して二重ローンを抱えてしまうのではないかと心配されるお客様がいらっしゃいました。
前回でもご紹介致しましたように、これからは地震保険の加入は必須です。特に鹿児島の場合は、掛け金が最も安い一等地で、木造住宅の場合は、1000万円当たり1万円の最低の掛け金です。
東日本大震災以来、自然災害の被災者を救援する住宅ローンの減免処置も確定していますから、今回の熊本地震に際しても、一応の法的な整備がなされた後ですから、東日本大震災とは異なり、早い復興が期待されます。
自然災害の被災者救済住宅ローン減免措置。
東日本大震災では、甚大な被害を受けた人々の中でも、住宅ローンを返済中の被災者が、住まいの建て替えで、二重ローンを抱えてしまうことが社会問題化しました。
津波を受けたほとんどの家屋が跡形もなく被災しているので全く一からの建築になるため、資金力が乏しい場合は、住宅の再建は不可能になりこれを踏まえて全国銀行協会では、被災者の住宅ローンを減免・減額する制度を本年4月に導入しています。今回の熊本地震でも一定の条件を満たす人には、この制度が適用されることが決まっています。
住宅ローンの免除や減額を受ける場合は、裁判所の調停を利用して金融機関からの責務免除を受ける必要がありますが、その際に弁護士を利用する場合も弁護士の手続き支援なども無料で利用することが出来る様な制度になっています。
個人破産などとは異なり、債務整理したことは個人信用情報として登録されないために、その後の新たな借り入れなどにも影響が及ばないように配慮されています。下記の手順で調停が行われます。
減免・減額を受ける手順
- ①手続き着手の申し出
- ②専門家による手続き支援を依頼
- ③債務整理(開始)の申し出
- ④「調停条項案」の作成
- ⑤「調停条項案」の提出・説明
- ⑥特定調停の申し立て
- ⑦調停条項の確定
消費税の動向も気になりますが、上がるにせよ延期になるにせよ、超低金利の現在が住宅建築には、最も有利な条件にあることには変わりありません。今までは自然災害に対する備えは全くなかったのですが、地震保険や住宅ローンの減免措置などの国や銀行などの救済措置も明確になっています。
災害を怖がるよりも、それを克服する人間の力量を信じて史幸工務店にご相談ください。