史幸便り
Vol.129 助け合う家族が居る同居は素敵!
50歳代の同居には大きな、利点がありますが、同居の形態を考えることが重要。
50歳代は、自身の定年も視野に入り、親や子世帯との同居を真剣に考えて見る!
2019年9月21日更新
年々人口が減っている現在二世帯住宅は理想的?
家事の協力や生活コストの削減等、同居には様々な利点があります。親世代の高齢化で健康の心配など50代には、様々な家族間の問題が表れてきます。同居は、高齢化した親世代との同居だけではなく、結婚して家族が増えた、子世代との同居の両方が考えられます。
結婚後も女性が働くのは普通になった現代では、保育園や幼稚園が足りなくて、子育てと働くことが益々、両立させにくくなっているからです。50代で住宅建築を考えるのであれば、親世代か子世代との二世帯同居の選択は、マイナス効果よりも、大きな相乗効果が生まれる可能性もあります。
内閣府の《家族と地域における子育ての意識調査》(2014年)によると、50代になると「大切と思う人間関係やつながり」は、親族や地域の人が上位を占め、40代までの若い方が考える仕事関係とは、異なる回答になっています。若い頃と50代のライフステージに対する考え方が、大きく変化する理由は、親世代の高齢化で親は、70〜80代となり、体力面の不安や健康問題を抱えて放っておけなくなっており、50代の後半になれば、自分自身のカウントダウンも始まります。親世代の不安と共に自身の不安も抱えることになります。
同居の理想的な住まいの形は家族構成で変わる。
50代からの同居の場合は、親との同居を考えるよりも、現実的には子世帯との同居の方がより現実的なのかも知れません。親世代との同居は、すでに兄弟、姉妹が親との同居に入っている可能性もあるからです。
子世代との同居の場合、息子よりも娘夫婦との同居も多く、出産のために実家に里帰りし、母親と娘の絆が深まり、娘夫婦との同居という環境が生まれやすいからです。娘との同居の場合は、完全共有型が多くなります。嫁姑の関係ではなく、母・娘という親子の関係ですから、娘の夫が我慢するしかない境遇になり、親子関係のプライバシーは、ほとんど無い状態になり勝ちですが、夫が我慢すれば、最も波風の立ちにくい同居の形態になります。ただし、後で問題を引きずらないように、娘たちの夫婦関係や、夫側の親子関係にも十分に考慮することと、夫の逃げ場となる一部屋(書斎等)を確保するなど、夫に対する配慮も必要になります。
完全独立型の相続時土地評価が特例で8割減に!
息子との同居の場合は、完全独立型か一部共有型が多くなりますが、これは先に述べた、二世帯住宅の永遠のテーマでもある嫁姑の関係があるからで、妻の立場では、夫の親世帯との同居も息子世帯との同居も、同じことがいえます。
完全独立型は、一軒の住宅の中に二軒分の設備が組み込まれることになり、建築経費もかさみますが、二世帯が分裂する危険が最も少なく、親との二世帯同居が解消された後でも、リフォームを行って、再び子供世帯との同居も可能になります。今すぐに住む処が現実にある訳ですから、完全独立型であれば、子供たちとの同居話もスムーズに行うことができます。いままで完全独立型は、相続の際の自宅の土地評価額が8割減になる「小規模宅地等の特例」が利用できないというデメリットがありましたが、現在は利用可能になり、税制面でも大きなメリットになっています。
最も現実的な二世帯関係は一部共有型。
一部共有型の場合は、住宅設計パターンが最も多くなりますが、住宅の設計を綿密に行わないと、本来の一部共有型とは、ほど遠くなる場合も少なくありません。単に2階と1階に寝室が分かれているだけの場合は、二世帯同居で共有型とはいえません。
一部共有型の場合は、基本的に生活の主要部分が独立していなくてはなりません。キッチンやトイレ、浴室などの水廻りや玄関などの独立、リビングなどを共有スペースにして、応接室代わりの和室などが、世帯別に独立していれば理想的です。どの部分を共有にするかは、親子世代の年齢構成でも違いますし、親子間の住宅での役割分担でも、共有スペースの考え方が異なりますので、よく話し合って決める必要があります。
完全共有型は親世代のプライベート空間が大切。
完全共有型は最も一般的な共有形態ですが、親子間に親しみがあり、孫たちの養育に親世代が積極的に協力できる場合、自営業などで親子が離れられない環境の場合は、仕方なく同居するよりも、積極的に良好な家族関係がつくれるような同居関係が望ましくなりますが、その場合でも、夫婦単位でのプライベート空間を充実させる工夫が重要です。寝室を工夫して夫婦でお茶が飲め、小型テレビや音楽が聴ける等、家族との日常とは多少異なる空間構成が必要です。
新築をお考えならば是非、史幸工務店にご相談ください。