史幸便り
Vol.198 「省エネ住宅、支援策」の活用で減税!
2022年6月に建築物省エネ法等が改正され、25年度から省エネ基準の義務化が始まる。
「省エネ基準義務化」の支援策で減税額が最大182万円増も可能になる!
2022年8月29日更新
長年の懸案「省エネ基準」の義務化による減税や補助金!
2021年4月に成立した法律で、相続等によって土地の所有権を取得した者が、法務大臣の承認を受けて、その土地の所有権を手放して、国庫に帰属させることができる制度です。令和3年12月14日の閣議において、施行日が2023年4月に決定しました。この法律は簡単に言うと「相続した不要な土地の所有権を国に返すことができる制度」です。
今までは相続放棄などで行われてきた制度をより簡単に可能にする制度といえるかもしれません。国土交通省が空き家所有世帯を対象に物件の取得方法を調査した結果「相続」との回答が54.6%と過半数を占めた事から始まり、この制度の特徴は申請できる対象者が幅広いことで、しかも過去にさかのぼることが出来、例えば50年前に相続した場合でも利用できることです。
また、相続に伴って不動産の所有者名義を被相続人から相続人に書き換える「相続登記」をすませていなくても申請することが可能ですが、この場合は、申請時に相続を証明する書類の添付が求められます。
土地の所有者が、自らが買い取った土地でないこと。
本年6月に「建築物省エネ法」が改正され、25年度から住宅の新築では断熱性能など国が定める省エネ基準を満たすことが義務づけられます。具体的には外壁の断熱材の厚さを一定以上にしたり窓を複層ガラスにしたりする必要があります。
政府は将来、省エネルギー性能が高くエネルギー消費を実質ゼロに近づける「ZEH(ゼロエネルギー・ハウス)」を増やす方針です。ZEHはより断熱性能が高い外壁のほかに高効率給湯機や太陽光発電設備を備え、消費電力量と発電量を確認できるシステムの設置も求められます。積雪量の多い地域や市街地の狭い住宅地では太陽光発電が難しいため基準が緩い「ZEHオリエンテッド(方向付け)」などの区分けも設けられています。
「ZEH」の受注が多い建築会社の場合は、ZEHの利点は、光熱費支出を抑えることができ、夫婦と小学生以下の子供1人の家族が平均的な床面積の戸建て住宅をZEHにして、日中も誰かが家にいる場合は、年間光熱費は従来の住宅に比較して約18万円安くなり約6割削減できるといいます。建築費は一般的に「太陽光発電+α」で200万円ほどのアップになることが多いと報告しています。
ZEH費用は支援金を使うことで抑えられる。
住宅ローン減税では22年から住宅の省エネ性能に応じて所得税と住民税から差し引ける控除枠が拡大されています。入居翌年の確定申告で省エネ性能などを証明する書類の提出で、23年までに入居する場合、省エネ基準を満たす新築住宅の減税額は基準未満の住宅に比べ13年間の合計が最大91万円大きくなります。ZEH並みの省エネ性能を備える新築住宅の減税額は13年間で最大136万5000円大きくなります。
暖冷房などのエネルギー消費量を省エネ基準より20%以上、抑えられれば「太陽光発電」は設置していなくても良い事になっています。省エネ性能に加えて節水対策などを盛り込んだ認定低炭素住宅や、劣化しにくい認定低炭素住宅や、劣化しにくい認定長期優良住宅では、最大182万円大きくなります。
認定低炭素住宅と認定長期優良住宅の省エネ性能は22年秋からZEH並みの基準に変更され現在よりも厳しくなり、低炭素住宅では「太陽光発電」も必要になります。
24年以降、省エネ基準を満たさないと、減税の利用が不可。
税理士の解説では、省エネ基準を満たしていないと原則として24年以降の建築確認から住宅ローン減税を利用できなくなると解説しています。
国土交通省によれば、新築戸建て住宅の約9割がすでに省エネ基準を満たしているが、省エネ基準を満たしている住宅は親や祖父母からの住宅取得費の贈与の非課税限度額も1000万円と一般住宅の500万円よりも大きくなります。さらに新築戸建て住宅で使用できる補助制度もあります。
国交省の「こどもみらい住宅支援事業」では、2003年4月2日以降に生まれた子供がいるか夫婦のどちらかが1981年4月2日以降生まれの世帯ならば、認定低酸素住宅と長期優良住宅では1戸80万円、ZEHの場合、100万円補助します。
低炭素住宅などは秋以降の認定申請から補助額が100万円になります。補助金は先着順で、23年3月末まで申請する必要があります。
年齢等に関わらず利用できる補助金もあります。
環境省の「ZEH支援事業」は、年齢等に関係なく利用できる補助金です。
ZEHの新築住宅を建築・購入する人が1戸55万円の補助金が受けられます。条件を満たす蓄電システムを導入すれば上限20万円が追加補助されます。さらに電気自動車を活用した充電設備など条件を満たせば補助額が1戸100万円に拡大します。
22年8月19日までの2次公募は終了していますが、3次・4次公募も予定されていますから、対象者であればまだチャンスはあります。ただ、原則として23年1〜2月までに竣工し、登録業者が建築や販売に関わる必要があります。住宅ローン金利も優遇され、住宅支援機構は10月からZEHの全固定金利「フラット35」の金利を当初5年間、年利0.5%引き下げます。6〜10年目は引き下げ幅が年0.25%になります。
様々な支援制度のうち史幸工務店では使えないものもありますが、それは補助金を使うよりも使用しない方がメリットが大きい場合もあるからです。
住宅建築は地域の気候風土など様々な要素があり、また、国が使用してほしい設備と工務店が使ってほしくない設備などもあります。史幸工務店は常に皆様の利益を最優先に考えています。
担当者とよく話し合って最善の選択をしてください。