史幸便り
Vol.202 「収入合算」と「ペアローン」の違い!
親子や夫婦で収入を合算する「収入合算ローン」等、検討できるローンをご紹介致します。
「住宅資金」の調達方法として同一物件に(債務者2名まで)が可能な「ペアローン」等。
2022年10月27日更新
収入合算やペアローンの活用で親子同居や希望の住宅の取得!
「住宅ローンを申し込みたいけれど、自分ひとりで返済し続けていくのは不安」と感じている人もいるかもしれません。また、「希望の住宅資金を借り入れたいけれど、自分の収入だけでは借りられそうもない」という場合もあります。
親族2人の収入を合算して住宅ローンを組むには「収入合算」と「ペアローン」という方法があります。
ペアローンとは、同一物件に対して複数の債務者(借り入れ人)がそれぞれローン契約を行い、お互いに連帯保証人になる借入方法です。銀行によってはご夫婦、同性パートナー、もしくは親子でのペアローン(債務者は2名まで)が可能な場合もあります。金融機関によって内容が多少は異なりますが、基本的な単独ローンの場合の条件から確認しておきましょう。
借入申込時の年齢が20歳以上65歳以下で、かつ完済時年齢が80歳未満であること。団体信用生命保険(団信)への加入資格を有すること。連続した就業2年以上、かつ前年度税込年収が300万円以上の正社員または契約社員であること。自営業の方については業歴2年以上、かつ2年平均300万円以上の所得(経費控除後の金額)を有すること。
日本国籍または永住許可を有すること。なお、永住許可を有しない場合は、配偶者が日本国籍または永住許可を有し、かつその配偶者が連帯保証人となること。以上が基本的な単独契約の要件になります。
「収入合算」と「ペアローン」について少し詳しく解説すると。
収入合算とは、一定の収入のある親族の収入を申込者(主債務者)の収入に合算する方法です。合算した金額をもとに住宅ローンの審査を受けることができます。
収入合算者は連帯保証人になることが必要です。また、収入合算の申し込みでは、単独で住宅ローンを申し込むときの条件をすべて満たしたうえで、さらに収入合算者が満たさないといけない条件が【表・2】です。
ペアローンの場合は、一定の収入のある同居親族と一緒にそれぞれが主たる債務者として住宅ローンを組む方法です。また、それぞれが相手の連帯保証人となります。
ペアローンでは、単独で住宅ローンを申し込むときの条件を両名が満たすことが必要です【表・3】。
さらに、【表・4】の条件も満たさないといけません。合算の借入申込額が500万円以上、融資の対象となる物件を2名の共有名義とすること。ペアローンを申し込む2名の関係が夫婦、または1親等であることが条件になります。(注・金額等は金融機関で異なります)
共稼ぎ夫婦で収入の差がある場合は、収入合算がお奨め。
同じ共働きの夫婦でも、夫婦間の収入の差がある家庭は、収入合算がおすすめです。収入が多いほうを主債務者、少ないほうを連帯保証人として契約します。収入合算にすると、単独で申し込みするよりも借入額を多くできる可能性が高まります。
なお、住宅ローン控除は主債務者のみとなる点は注意が必要です。この場合でも、連帯保証人になる方も200万円以上の収入(前年分)が条件となります。
夫婦ともに、ある程度の金額の収入を安定的に得ている家庭には、ペアローンがおすすめです。住宅ローン契約は、2本(夫名義と妻名義)になりますが、夫婦ともに住宅ローン控除を受けることができます。
また、片方が亡くなった場合は、団信で亡くなった人の残債のみが完済される点は押さえておきましょう。残された人の残債については、引き続き返済していくことが必要です。しかし、ある程度の収入を確保できているのであれば、そのまま返済を続けることも可能でしょう。
収入合算・ペアローン選択した場合のメリット・デメリット?
双方に共通することですが借入金額を増やしすぎてしまう心配があり「片方の収入が途絶えた際に返済が厳しくなる」といった点はデメリットです。 収入合算は、主債務者しか団信加入ができないため、連帯保証人に万一のことがあっても返済金額は変わらずローンはそのまま継続します。連帯保証人の収入を返済原資の一部としている場合は特に注意が必要です。
住宅ローン控除や、すまい給付金の対象は、主債務者のみで連帯保証人に税制面の特典はありません。ペアローンを組んだ両名とも住宅ローン控除の恩恵を受けますが住宅ローンを2本契約するのと同じ扱いで、事務手数料や諸経費は2名分必要です。また両名とも団信に加入できますが、どちらかに万一のことが起こった場合、債務免除は1人分のみで残された人の返済義務は継続します。収入合算やペアローンは借入額を増やすのには非常に効果的ですが金融にはデメリットも多いため危険も伴います。
史幸工務店には、適切なアドバイスが出来る「銀行OBの金融のプロ」が皆様のご相談に応じることが出来ますので、お気軽にご相談下さい。