Vol.244 2024年、目標1.5度達成は遠のく。

世界保険機関は深刻な熱波によって、熱中症だけでなく高齢者や新生児死亡が拡大すると警告!
世界5位の温室効果ガス排出国で、発展途上国に技術や資金を提供する日本の役割と責任は重い。

2024年7月29日更新

最高気温、記録更新続き、日本全国30℃以上という異常高温が常態化。

我々の多くは、地域紛争での死者の報に接しても「対岸の火事」で全く動じなくなってきていますが、同じように「球温暖化」の報に接しても、驚かなくなっています。

(図・1)は地球の現状で、インドでは、今年の6ヵ月だけでも最高気温が50℃という熱波が発生し、すでに100人以上が死んでいます。サウジアラビアのメッカでは、大巡礼中の1301人もの人々が熱中症で、中米のメキシコでも、100人以上が熱波で死亡しています。

気候危機と熱波、降雨などの関連を研究する国際機関WWA(ワールド・ウエザー・アトリビューション)は「このまま気候危機が進めば、貧困や難民人口の多いアジアで、何百万人という単位の人々が熱波の影響を受ける」と警告しています。

WMO(世界気象機関)は、今後の5年間の内に世界の平均気温がイギリスの産業革命前よりも、1.5℃を超える確率は80%以上と推計しています。
更に悲劇的なこととして、このような絶望的な事態に及んでも「地球温暖化」を認めようとしない「トランプ」が、アメリカの大統領に返り咲く可能性が高くなっていることです。

ようやく住宅の「省エネ基準」が義務化される日本の対応?

温暖化対策が遅れている我が国は、欧米先進国から対応の遅さを非難されてきましたが、今まで、任意の基準でしかなかった住宅の「省エネルギー基準」(表・1)が、ようやく来年から義務化されます。

今回の法改正では、2025年から「平成28年基準(等級4)」をすべての新築住宅に義務付けることになっていますので、2022年3月時点で最高等級だった等級4(大手プレハブメーカーや建て売りメーカーが最高等級と宣伝してきた等級)が、2025年以降「最低等級」になり、省エネ基準が一気に引き上げられることになりました。

北米で活路を見いだす、大手プレハブメーカーの姿?

40代以上の場合は、新たな断信が有利になりやすいようです。一般の生命保険では、通常、年齢が上がるほど保険料は高くなりますが、団信の場合は、上乗せ金利が一定の年齢までは差がないためです。

来年から始まる「25年省エネ基準」は、大手プレハブメーカーには、等級4以上の施工を常態化するには、中々厳しいようで、人口の削減が直接的な要因と言われますが、大手プレハブメーカーは、日本での住宅市場の拡大を諦め、北米やアジアで活路を見いだしていることがTV・新聞記事で紹介されていました。

「エコ・ハートQ21工法」は20年前から等級5・6で施工。

(表・1)の等級6・7は、「HEAT20」G2・G3相当と記載されていますが一般には、何のことか解りにくいのではないかと思います。
「HEAT20」とは、大学教授や設計・施工会社など、民間の有識者による住宅建築に関する国への提言機関として発足し、当初の正式名称は「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術委員会」です。

弊社は「HEAT20」の賛助会員ですが、当初は推薦を受けてようやく賛助会員になれる程、権威のある会でした。 等級6・7は「HEAT20」が認定・公表し、国に提言した住宅性能のことです。

弊社は現在進行中の等級4が最高基準の時代に、すでにそれを上回る高性能住宅を建ててまいりました。それだけ本気で「SDGs」や「地球温暖化対策」に真剣に向き合ってきました。それが「ハウス・オブ・ザ・イヤー大賞」二度受賞に表れていると自負しております。

地球環境の異常は、真夏の異常気象として、今まさに我々が直接体験していることです。
断熱材の大量施工で数値的には簡単に、最高等級7も実現できますが恐ろしいのは「過ぎたるは及ばざるがごとし」の諺の様に、数値あわせの過剰断熱で、冬に不快な「夏の熱帯夜」を造ってしまうことです。

住宅建築のご計画がございましたら、是非、史幸工務店にご相談ください。お建てになる環境に合わせた本物の高性能住宅をお建て致します。